2016年02月04日

スギの大径材が売れない

一般ユーザーの感覚からすれば意外だろうが、現在の木材マーケットではスギの場合、樹齢を重ねた大径材ほど人気がない(役物は別)。昨日、阿蘇で聞いた話によると、末口径が40cmを超えると、とたんに人気がなくなり、最近の落札価格は「9000円/立方mに行けば良い方」なのだという。

理由は、いまの製材システムに合わないからとか、製材効率が悪いからとか、いろいろ言われているが、要するに大径材ならではという製品がないことが原因だ。大径材でしか作れず、しかも高く売れる製品が開発されれば、市場の評価もガラッと変わるだろう。大径材を効率良く製材する機械システムだって開発されるはずだ。

昨日、久しぶりに訪ねた自伐林家は、「みんな、『機械に合わないから大径材はダメ。そろそろ皆伐して再造林した方がいい』なんて言ってるが、機械なんかはその気になればすぐに開発できる。だけど、木は一朝一夕には育たない。何十年もかけて大きくなる。せっかくここまで育ったものを伐るなんてもったいない。ヨーロッパには行ったことがないが、向こうの木は100年生だと言うじゃないか。その木に負けないような木を育てることを考えるべきだ」と力説していた。その通りだと思う。

機械開発にもそれなりの時間はかかるだろうが、山で木が育つのに比べれば時間軸がまったく異なる。樹齢の価値が評価されるように林業界や木材業界はもっと工夫すべきだし、それは木を扱う者の使命だと思う。

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posted by くすのきラボ at 22:54| Comment(0) | 林業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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