理由は、いまの製材システムに合わないからとか、製材効率が悪いからとか、いろいろ言われているが、要するに大径材ならではという製品がないことが原因だ。大径材でしか作れず、しかも高く売れる製品が開発されれば、市場の評価もガラッと変わるだろう。大径材を効率良く製材する機械システムだって開発されるはずだ。
昨日、久しぶりに訪ねた自伐林家は、「みんな、『機械に合わないから大径材はダメ。そろそろ皆伐して再造林した方がいい』なんて言ってるが、機械なんかはその気になればすぐに開発できる。だけど、木は一朝一夕には育たない。何十年もかけて大きくなる。せっかくここまで育ったものを伐るなんてもったいない。ヨーロッパには行ったことがないが、向こうの木は100年生だと言うじゃないか。その木に負けないような木を育てることを考えるべきだ」と力説していた。その通りだと思う。
機械開発にもそれなりの時間はかかるだろうが、山で木が育つのに比べれば時間軸がまったく異なる。樹齢の価値が評価されるように林業界や木材業界はもっと工夫すべきだし、それは木を扱う者の使命だと思う。
【関連する記事】