造林学の研究者と会食。先方は3名。良い機会だと思い、苗の品質の見極め方について尋ねたら出るわ出るわ。初めて聞く話がたくさんあって、こちらの不明を恥じつつも、樹木という生命体に肉薄しようという情熱に触れて、胸が熱くなった。
そもそも、研究の現場では自ら植え付け作業を体験することが本来は欠かせない。選び抜いた種を撒き、苗を育て、植え付ける。その一連の作業を自分でやる。
そして苗木の品質をさまざまな観点から検証する。根元径を測る、苗を掘り取り、根を水洗いして発達状況を調べる、根と幹の重量比を測る――等々、等々。
うーん、確かに泥臭い
ところが、最近は大学の研究室でもそういう作業を学生にやらせないところが増えているのだという。その現状を憂えて、研究者たちの語りは熱くなるばかり。そんなことで山がつくれるのか、木を育てられるのか、と。
科学者は真実を追求する熱い魂がなければ務まらない。
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